院長コラム
エストロゲンは女性の一生にどう関わるのか?(1)
今回は女性の一生に関わるホルモン(エストロゲン)がどのような物質であるのかをお伝えします。
エストロゲンは主に卵巣から分泌されるホルモンで、思春期には女性らしい体型を作り、月経を起こし、子宮・膣・乳房などの発育を促し、さらに妊娠の成立・維持にも重要かつ不可欠なホルモンとして知られています。卵巣から産生されたエストロゲンは血液中に移行して全身に作用する。脳・乳腺・骨・脂肪組織・皮膚など多くの組織において産生されたエストロゲンは主に産生された局所で限局的に作用します。
女性ホルモンとも言われるエストロゲンですが、実は近年の研究結果から男女を問わず作用することが明らかになっています。また肝臓に作用してコレステロールの代謝調節、膵臓に作用してインスリンの分泌調整、脳の認知機能や情動など全身に多彩な作用を発揮しています。
女性の生涯においてエストロゲンはライフステージ毎(思春期・性成熟期・妊娠・更年期)に変動します。その変動に伴い、様々な影響をもたらします。次回は思春期とエストロゲンの関わりについて説明します。