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院長コラム

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女性ホルモン剤(ピル)を使うと癌になるの?

『女性ホルモンを服用すると乳癌になりやすいですよね?』

診察の場でよく聞かれる質問です。この疑問に対する最新の答えを今回は紹介します。

ピルによる乳癌、卵巣癌、子宮体癌のリスクを国家規模のデータを元に60年間の観察期間で調査した論文が発表されました。

1939〜1970年に英国で生まれた女性256,661名を対象に、2019年までに癌に罹患したか否かを自己申告あるいは国家データベースから抽出して検討されたものです。

欧米では80%の女性がピルの使用経験があります。

検証結果は、ピル使用により卵巣癌と子宮体癌のリスクは有意に低下すること、しかもその抑制効果はピル服用終了後35年間まで持続することを示しています。

一方、ピル使用により乳癌リスクは短期的に増加(55歳まで)するものの、長期的(80歳まで)には増加しないこと、ピル服用終了後2年以下までの期間に限り乳癌リスクが増加することを示しています。

皆さんの疑問は解消されましたでしょうか?正しい知識を得ることで、最大限の利益を享受することができます。

ピル服用の際には乳がん検診はお忘れなく!!