院長コラム
なぜ日本はヘルスリテラシーが低いのか?
前回、日本のヘルスリテラシー(健康につながる情報を入手し、理解し、評価して、適切に活用する力)はEUやアジアの諸国より低いことを述べましたが、今回はその理由についてお話します。まず取り上げられるのは子供の頃から健康教育が十分に機能していないことです。
例えばヨーロッパでは家庭医がプライマリケア(初期包括医療)を担うことで家族全員への健康教育が可能です。一方、日本では十分な教育環境にあるとは言えません。
その理由の一つは、信頼できる健康・医療情報がわかにくいことです。
例えばアメリカでは政府が関与する公的な機関が運営する健康・医療情報のサイトがありますが、日本にはありません。
信頼する情報を得るには「いつ書かれたもの?」「なんのために書いたの?」「誰が書いたの?」「もとネタは何?ちゃんと研究して、根拠があるもの?」「ちがう情報と比べている?」を確認することです。ネットの情報は玉石混交です。
自分に都合のよい情報だけを探すのではなく、判断する力を身につけることが大切です。自分の健康を過信せず、ヘルスリテラシーを向上させましょう。