院長コラム

プレコンセプションケアの観点から重要な栄養素に葉酸があります。

葉酸とはビタミンB群の一種で、ビタミンB12と共に赤血球を作る働きをします。

DNA合成にも関わっており、あらゆる世代の人にも必要な栄養素です。

妊娠を考える際に特に摂取が推奨されていますが、その理由は胎児の先天異常である神経管閉鎖障害の発症リスクを下げる為です。

妊娠初期は胎児の脳や脊髄のもととなる神経管が作られます。

神経管は初め板状ですが、成長と共に管状となり両端がくっついて閉鎖します。

胎児の成長と共に神経管の頭側は脳に、お尻側は脊髄となります。

その一部がうまく閉じないと神経管閉鎖障害（無脳症や二分脊椎など）を起こします。

神経管閉鎖障害になりにくくする為には、妊娠する1ヶ月以上前から葉酸を摂取する必要があります。

葉酸はお母さんの健康にも関わっており、不足すると貧血を起こしやすくなります。

妊娠するとお母さん・胎児共に葉酸が必要となりますので、多めの摂取が推奨されます。

葉酸は妊娠前から授乳期まで継続して摂取をしましょう。

摂取量に関しては次回に説明します。