婦人科
月経異常
正常な月経とは月経周期が25~38日間でその変動が6日以内、持続日数が3~7日の状態をさします。つまり、この状態を逸脱したものを月経不順といいます。その他にも月経異常には無月経、月経困難症、月経前症候群(PMS)、月経前気分不快障害(PMDD)などがあります。これらは誘因の除去と薬物治療で症状改善が期待できます。
無月経には原発性無月経(18歳以上で月経が起こらない場合)と続発性無月経(これまであった月経が妊娠していないのに3か月間停止している状態)があります。いずれの場合も早急に診断を行い、適切な治療が必要になります。
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月経不順は、ストレス・過度の運動・受験・引っ越しなどの環境の変化、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などによる排卵障害など様々な誘因で発症します。PCOSは不妊症の原因にもなります。特に性成熟期(18~45歳)の月経不順では早めの受診をお勧めします。
月経困難症とは月経時期またはその前後にみられる下腹痛や腰痛などの症状のうち、日常生活に支障をきたし治療を必要とする状態のことです。原因不明のものが75%、子宮内膜症などの続発性のものが25%といわれています。治療としては鎮痛剤などを用いた対症療法の他に、保険適応のあるピル、漢方治療などが挙げられます。
PMSとは月経前3-10日の黄体期の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに減退ないし消失する状態をさし、PMDDとはPMSの重症型あるいは情動障害などの精神症状が強いものをさします。治療はいずれもピルや漢方治療で改善効果が期待できます。