院長コラム
エストロゲンは女性の一生にどう関わるのか?(4)
今回は更年期とエストロゲンの関係についてお話しさせて頂きます。
エストロゲンは閉経数年前から徐々に低下して、そして閉経後に急激に低下します。
この時期を更年期(閉経前後の各5年間)といいます。
この時期にはエストロゲンの低下が関係する様々な症状が起こります。
代表的な症状は、ほてり(ホットフラッシュ)や発汗です。
しかし、全ての症状がエストロゲンを補えば改善する訳ではありません。
例えば、だるさや動悸が甲状腺の病気が原因で起こっていることがあります。
閉経前後で起こる症状の全てが更年期症状ではないので注意しておきましょう。
その他にも閉経によるエストロゲン低下が関連する病気があります。
それは動脈硬化や骨粗鬆症で、閉経年齢が早いと発症リスクが高まります。
閉経年齢が46歳未満の場合、動脈硬化による心疾患や脳卒中のリスクは2倍に増加するという報告があります。
閉経が早かった人はエストロゲンを補うことで、動脈硬化による病気や骨粗鬆症のリスク上昇を抑えることができます。
動脈硬化が始まると予防効果は期待できません。正しい知識を身につけ、健康年齢をしっかり延ばしましょう!